田中千代・民俗衣装・コレクション

アフガニスタン (Afghanistan)

カブール (Kabul)



(1960年収集)

[衣装名]
 (チャドリ chadri)


 これは首都カブール周辺の女性の服で、チャドリ (chadri) と呼ばれる。住民の多数を占めるアフガン人(Afghans) は厳格な回教徒であるから、女は他人に顔を見せない掟に従って、外出時には必ずこのチャドリを着る。刺繍された頭部から、ごく細かくプリーツされた布が縫い付けられた奇妙なものである。眼の部分はネット状にすけた刺繍が施され、わずかに視野を保たせてある。布地は絹で、黄と茶で玉虫色に織ったものである。アラビア、シリア、イラク、アフガニスタン、西パキスタンなどの乾燥気候の回教国では、一様にこれに似た型の衣服が着られているが、このチャドリが最も素朴で神秘的な容姿を見せている。高山国で外界から隔絶しているため、古い習慣がよく保たれているのだろう。西隣の山国イランでもチャドール (chador 又は chadar) と言ってこれよりややくだけた型のものが一般に着られている。


アフガニスタン (Afghanistan)



(1960年収集)

[衣装の構成]
ズボン
 (トンボン tombons)
上衣
 (ペロン ダリ語)
ベスト
頭巾
 (コパ)
ターバン
 (ラングイダ、ロンギ、又はルング)



 これは、ペロン・エ・トンボンと呼ばれるアフガニスタンやパキスタンなどで見られる男性の一般的な衣装である。
 トンボンは白やグレーの木綿地で作ったきわめてゆったりとしたズボンのこと。広いウエストは紐を通し、ぎゅっと締め、ゆるやかなドレープと、たっぷりした運動量を作り出す。足首は砂塵よけと機能性のために、すぼまっている。膝のあたりがゆったりとしているので、「あぐら」や立膝の姿勢が自由に出来る。
 ペロンは七部丈のシャツ型チュニックである (トンボンと同じ布)。この組合せをペロン・エ・トンボンと言う。
 ペロンの上にはカラフルな刺繍やアップリケを施したウエスト丈のベストを着る。頭には (コパ) をかぶり、その上から白綿布のターバン (ラングイダ、ロンギ、又はルング) を巻く。
 巻き方は端、約1m位を横や後へ垂らしてから巻いてゆく。これは装飾の他に暑熱を防いだり、砂嵐の時、寒い時などに口や顔面を覆う機能をもっている。コパだけでターバンを巻かない人も見かける。コパには刺繍やキルティングが施されているものが多い。寒い時は膝下まで長い衣服チャパン*着用する。 (平凡社発行「世界の民俗衣装」より)

上衣 (ペロン) ズボン (トンボン) 胴まわり264cm
ベスト  ベスト 後


アフガニスタン (帽子と衣服)