田中千代・民俗衣装・コレクション

ペルー (Peru)
ピサック (Pisac)


(1957年収集)

[衣装の構成]
上衣 (チャケタ chaqueta)
スカート (ポリェラ pollera)
ベルト (サハ saja)
肩掛け (リヒア ligia)
コカ袋 (タリー tari)
帽子

 これはクスコに近く、有名なインディオの市の (イチ) の立つピサックで多く見かけたケチュア語族の服装である。ピサックはインカの町だが、今はさびれた谷間の、緑樹の多いこの小さな村に、市の立つ日曜日は数百人の男女が集まって賑わう。彼らはまだ純粋の手芸的服飾品だけを身に付けているので、この村は観光客の間によく知られている。むろんこの付近の村々でも、民俗衣服はいくらでも見られるが、ピサックの日曜日はインディオの司祭たちが古式によって祈祷式を催した後、日暮れ時まで静かな群集が右往左往する様は美しい見ものである。
 上衣 (チャケタ) は、ざっくりした目の粗い、手織lりの赤ウール地で、着丈が38cm、直線裁ちで、やや角に刳った衿なしである。前明きは突合せでカギホックで留める。袖は14cm角の肘当ての付いた長袖。前身頃にポケットが付き、裾に梯形の飾り布が付く。派手な色合いの細巾布や蛇腹、ボタンなどで飾られている。スカートは紺の手織ウールで作られ、丈75cm、裾巾95cm。胴で細かいタックが畳まれ、オレンジ色の布で縁取られ、両端に細い紐が付く。
肩掛け (リヒア) は緑色の手織布に3本の細巾布で縁取られている。
ベルト(サハ) は細巾布を三枚接ぎにした長さ100cm、巾7cmのもので両端に細紐が付く。
コカ袋 (タリー) は数枚の細巾布を接ぎ合せた7cm×15cmの四角い袋で、裾にフリンジが付く。帽子はいわゆるソーサー・ブリム (コーヒー茶碗の受皿型) の珍しい感じのものである。 

上衣 (チャケタ) スカート (ポリェラ) 肩掛け (リヒア)
帽子 ベルト (サハ) コカ袋 (タリー) ピチ

ペルー (Peru)
クスコ (Cusco)


(1957年収集)

[衣装の構成]
上衣
 (チャケタ chaqueta)
スカート
 (ポリェラ pollera)
ベルト
 (サハ saja)
肩掛け
 (リヒア ligia)
ショルダー・バッグ
 (タリー・パラ・コカ tari para coca)

帽子

(括弧内はスペイン語)

 これはインカ帝国の古都クスコ (Cusco) の周辺、海抜3350mの高原に住むケチュア語族 (Quechua) の女の盛装である。赤色のチャケタと呼ばれる上衣は手織りの毛織物で、殆ど直線裁ちで丈は短く、衿刳りは丸く、前端は突合せでカギホックで留める。派手な色合いのブレードや蛇腹、ボタンなどで飾られている。
 ポリェラと呼ばれるスカートは鮮やかな緑色の手織りの毛織物で、丈70cm、巾48cmの布を4枚接ぎ合せ、筒状にして、ウエストには細かいタックをたたみ、裾は4本の派手なブレードで飾られる。リヒアと呼ばれるショールは78cm×46cmの長方形でポリェラと共布が用いられ、周囲は3本のブレードで飾られている。
 右肩から掛けているショルダー・バッグはコカ (coca) を入れて歩くものでスペイン語でタリー・パラ・コカと呼ばれ、実用を兼ねたアクセサリーである。帽子は黒の毛織物で、ブリムの両脇には緑と、花模様の二枚重ねの綿布の飾りが付いている。
 ショールを留め合せているのは、長さ12cmのスプーンである。

上衣 (チャケタ) スカート (ファルダ) 帽子
ショール (リヒア) ショルダーバッグ
 (タリー・パラ・コカ)
ベルト (サハ)

ピチ



ペルー (Peru)
クスコ (Cusco)


(1957年収集)

[衣装の構成]
ポンチョ (poncho)
帽子
 (チュリョ chullo)

 これはクスコを中心に住む、ケチュア語族の男の典型的な服装、ポンチョとチュリョである。
 ポンチョは巾146cm、丈168cmの厚地で派手な色合いの手織り、獣毛の織物で、平織、経絣模様と縞柄が織込まれている。周りには別織のフリンジが付けられている。縦中央に接ぎ目がありその中央を30cm縫い残して、あき (首穴) が作られている。
 チュリョは、耳当て付きのウール製手編み帽子で、先の長いものと、短いものがあるが、これは長い型で、丈が45cmもあり、先が細くなっている。
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