田中千代・民俗衣装・コレクション

エクアドル (Ecuador)
オタヴァロ (Otavalo)


(1959年収集)

[衣装名]
 ポンチョ (poncho)


 これはエクアドルの首府キートの北方,同じくアンデス山地の2200mほどの高さにあるオタヴァロ (Otavalo) の男のポンチョである。丈140cm、巾120cmで縦中央が接ぎ目になっており、真ん中に30cmの縫い残しがあり、首明きとしている。布地は厚い手織りのウールで、黒地に赤、白、緑の細い縞を織込んだ明快なデザインであって、ペルーやボリヴィアの複雑な好みと非常に趣を異にしている。周囲には緑の毛糸で1cm長さのフリンジが付いている。
 オタヴァロの町を中心に住むオタヴァロ・インディアンは毛織物の製作に長じ、近代的な需要に応ずるホームスパンの技術を持って、工芸的なポンチョ、毛布、そしてツゥイード、チェビオット (共に英国の織物品) の手法による毛織物などを産する。
 オタヴァロやキートの町には市がたち、製品はそこで販売される。ポンチョにはこのような黒い調子のもののほか、赤を主体とするものもあって、キートで見かけるインディアンは、多く赤いポンチョを着ている。

エクアドル (Ecuador)


(1959年収集)

[衣装名]
ワンピース・ドレス
オーバー・スカート
ショール (チャール chal)
ベルト

 これはキート (Quito) で手に入れたものであるが、高度に発達しているエクアドルのインディオの手芸とアイデアを生かした面白いものである。白の手織り木綿で直線裁ちのワンピース・ドレスは服巾65cm、裾巾75cm、服丈105cmである。衿刳りに通した細紐で適当に締めて着る。袖丈18cmのパフ・スリーブも袖口を細紐で締める。胸元には花をモチーフにした美しい刺繍が施されている。ワンピースの上に牡丹色ウールのオーバー・スカートがはかれている。丈76cm、巾145cmの一枚布で上部に細紐を通してあり、前中央で両端が突合せになるように縮めて着る。裾から前はしにかけて幾何学模様がミシン刺繍されている。頭にかける布は、43cm×100cmの長方形の紺のウール地で、周囲に幾何学模様の刺繍がある。頭巾としても、ショールとしても用いられる。手織りのベルトは巾6cm、丈180cmで、白地に紺、赤の模様が織りだされている。
 履物は底は苧麻で分厚く編まれ、甲の部分は木綿の手織り布で作られた一種のサンダルである。
 キートは海抜2850mの高所にある首府で、ケチュア語系のインディオが周辺に多く住み、市内にも盛んに出入りする面白い都市である。特に「干し首」を作るので有名なヒバロ族 (Jivaro) はこの国の東部、アマゾンの密林に住んでおり、このような蛮族の製作品やデザインに接することの出来るのもこの都市の魅力である (1959年)。

エクアドル (Ecuador)
オタヴァロ (Otavalo)


[衣装の構成

ポンチョ (poncho)

毛皮のオーバー・ズボン
帽子

下にシャツとズボン着用

 このポンチョは濃紺のウール製で、2枚の布を衿明きを残して縫い合わせ (前後中央)、衿を付ける為に後に三角のマチが付けてある、(高さ12cm、底辺8cm、この辺が衿付線に加わる)
 ポンチョの寸法は、丈66cm (肩から) 巾 168cm。 周囲に1,5cm巾テープの縁取りが施されている。衿巾は後中央で8.5cmである。
 オーバーズボンは羊の毛皮と皮の組合せで、胴の皮の部分は巾19cm、胴囲は前と脇のベルトで調節する。丈は119cm、裾巾は31cmである。


衿付きポンチョ 帽子 オーバーズボン



ポンチョの衿の部分