田中千代・民俗衣装・コレクション

チリ (Chile)
テムコ (Temuco)



(1959年収集)

[衣服名]
ポンチョ (poncho)


 これはアラウカーノ族 (Araucanians) が着ているポンチョである。手機による毛織の一枚布で、頭の出るところは手機の操作で穴があけられており、前後の明きどまりには補強のための紐が付き、小さな装飾にもなっている。又、裾は布端を12cm長さのフリンジに作られている。
 日本の絣柄のような、紺 (濃紺で殆ど黒) に、純白の大胆な幾何学柄を織り出している。この手織りの技を生かした柄には素朴さを超えた現代的でモダンな感覚さえも感じられる。
 民俗衣装の色はその土地の環境表現であり、住む人の心や願いがあり、またシンボルとしても用いられるといわれ、このポンチョの黒 (濃紺) は、酋長の色として尊ばれているものである。他に渋い紅や青を地色としたポンチョもある。
 アラウカーノ族は、現在 は ビオビオ川とチャカ運河にはさまれた一帯のほかには、あまり見られないインディオである。彼らはインカの技術を伝承していて、織物のほか、銀器や銀細工のペンダント、又、精巧な馬具や鞍の製作で知られている。


チリ (Chile)



(1958年収集)

[衣服名]
ポンチョ (poncho)


 これはチリの観光地でよく見かける婦人用ポンチョである。200cm×157cmの大きさで縦中央の接ぎ目に32cmの縫い残しがあり、明きになっている。明きの部分は共布で3.5cm巾に縁取られ、前後の明き止まりには、補強を兼ねた共布の蝶型の飾りが縫付けられている。布の周囲にはすべて10cm巾の縁取り始末が施されている。これは20cm巾に別織された共色の布で挟み込んだものである。四隅は額縁始末になっている。 
 この品は、羊毛とアルパカの混紡布である。


チリ (Chile)
オソルノ地方 (Osorno)



(1958年収集)

[衣服の構成]
シャツ
上衣
ズボン
小ポンチョ
 (チャマント chamanto)

 (ファハ faja)
帽子
 (ソンブレロ sombrero)

 (サパト sapatos)
拍車
 (エスプエラ espuela)
革の鞭
 (ソハ zoga 又はチコーテ chicote)

 (エストリボ estribos)


 チリの牧夫はウワソス (huasos) と呼ばれ、その伊達な姿はひときわ目立っている。これは牧牛地帯の中心地オソルノ付近のもので、ウワソス風俗の典型的なものである。
 黒ラシャで作られた上衣は背広衿で、ウエスト丈までの短いものである。左胸に二つ箱ポケットがつき、後身頃は裾から7cmの切替があり、脇よりに飾りボタンが8個つく。長袖で、袖山切替線が袖口カフスに続き、やはり飾りボタンが8個付く。細めのズボンは裾に細いストラップが付く。
 ラシャの縞ズボンをはく事もある。白シャツに白カラー、黒の紐状のネクタイを小さく結ぶ。上にはおる派手なものはチャマントと呼ばれる。
 派手な縞織のファハは幾重にも固く腰に巻き付ける。ソンブレロは硬い黒フェルト製。鐙は木製で、木彫が施されている。

上衣 ズボン (色は黒) 小ポンチョ (チャマント)
帯 (ファハ)
靴 (サバト) 拍車 (エスプエラ) 拍車の付属品か