田中千代・民俗衣装・コレクション

クロアチア共和国 (Croatia)
ダルマチア地方 (Dalmatia)



(1960年収集)

[衣装の構成]
ペティコート
上衣
スカート
エプロン
ベルト
飾紐
ベスト
帽子
頭飾り布

 これはクロアチア共和国のアドリア海沿岸、いわゆるダルマチア(Dalmatia)地方のコナヴルエ=デゥプロヴィニクという地区(Konavlje-Dubrovnik)のもので、明るい海岸地方の代表的なものである。
 ペティコートをつけ、上着を着、スカートをはき、エプロンをかける。胴囲にベルトをつけ、その上に飾り紐を締める。ベストを着、帽子と頭飾り布を被る。上着は白の平織木綿で、身頃も袖も非常に広くした直線裁ち仕立てである。服の巾は75cm、袖巾も25cmある。身頃中央は切込み明きで、衿刳りには1.5cm巾の細いバンド・カラーがつく。胸元、袖口、衿には、えび茶に緑、紺などの渋い感じの幾何学模様の刺繍が見られる。衿元と胸元に派手な黄色の房が付く。スカートは上着と共布のギャザー・スカートである。エプロンも共布で、裾に上着と同じ柄の刺繍が施されている。ベルトは黒の木綿、その上に手織の飾紐を締める。ベストは黒ビロード地に金糸と金ブレードの刺繍が施されている。帽子は赤の毛織でトーク型、クラウンの周囲に金糸の刺繍。帽子の上に、レースの縁取りをした白ローンの頭飾りを被る。靴下は白木綿、靴は赤皮のローヒール、甲に共皮の編み模様が飾られている。

上衣 ペティコート スカート
エプロン ベスト・前 ベスト・後
頭飾り布 帽子 飾り紐
ベルト




クロアチア共和国 (Croatia)
スラヴォニア=ヴィンコヴチ地区



(1960年収集)

[衣装の構成]
ワンピース・ドレス
エプロン
ショール
ヘッド・ドレス
靴下

 この衣装は種類の多いクロアチア共和国の服の中でも最も気品の高いと思われるものである。サヴァ川(Sava)以北のスラヴォニア(Slavonia)地方、ヴィンコヴチ地区(Vinkovci)のもので、服飾上の好みには著しくオーストリア、ハンガリーの影響が見られる。ワンピースの服に、エプロン、ショール、頭飾りの組合せである。踝丈のワンピースの服の身頃には衿刳り全体にギャザーがよせられ、下身頃はウエストで細かく畳まれたプリーツ・スカートである。袖口と裾にレース、スカートは巾広の金色のブレードと刺繍で飾られ、袖にも金糸の刺繍が施されている。大きな四角形のショールは黒ビロードでスパングルとビーズ、金糸、銀糸を使った豪華な刺繍が施されている。エプロンは黒の絹で、両端にブレード状の刺繍がある。黒ビロードの頭飾りはショールと同様の刺繍がある。白木綿の膝まである靴下をはき、バックスキンのローヒール靴をはく。

上の画像で見えていないワンピース・ドレスの前面

田中千代講演「民俗衣装に見る袖の構造」より

右図(ワンピースの展開図)