田中千代・民俗衣装・コレクション

フィリピン (Philippines)



(1938年収集)

[衣装名] 
メスティサ・ドレス
 (Mestiza dress)

[衣装の構成]
ブラウス
 (パニュエロ pañuelo)
スカート
 (サヤ Saya)


 特殊な透けるブラウスと、トレイン付きのサヤからなる盛装で、原住民と白人の混血女性 (メスティサ) の服、メスティサ・ドレスと一般に呼ばれる衣装である。
 ブラウスはピニャと呼ぶ中部フィリッピン産のパイナップル属の植物の葉の繊維を、手織りしたもので作られ、大きな「小鳥籠」 (birdcage sleeves) と呼ばれる袖と、V型の衿ぐりに、糊付けした別衿 (neck piece) が付き、丈はウエストまでの短いもの。袖口の巾は約34cm、スカラップに始末されている。ブラウス全体に絹糸と金糸の刺繍がある。このブラウスはかさばるので、袖と衿とを分解し、着る時に組立てて、スナップ又はピンで留める。このピニャ製のブラウスは、透けて通気性が大きく、かたくて肌につかないので、見た目にも、実際にも涼しい。ほかに絹のように光るジュシ (jusi) や、マゲイ (maguey) の繊維も使われ、また平常着には、アバカ (abaca マニラ麻) の繊維も用いられる。
 サヤは前が一枚布で2本のダーツをとり、丈は踝まて、後は3枚接ぎで2本のダーツをとり、後の接ぎ目を利用して一mほどの長さのトレイン (train) がつく。トレインは折って腰部に挟むか、左手に軽く持って歩く。サヤは絹製で、ブラウスと同じ図柄の裾模様がつく。




フィリピン (Philippines)



[衣装の構成]

ワンピース・ドレス


 これは、メスティサ・ドレスの特徴を取入れた現代服である。布地は黒と金色糸の交織で、縞柄の絹地である。身頃はバイヤス裁ちで、全体に黒のゴースで裏打ちされている。裾は長く、歩きやすいように後中央、裾から45cmのスリットが入っている。袖は「小鳥籠」袖を伺わせるものである。
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