田中千代・民俗衣装・コレクション

香港 (Hong Kong)



[衣装名
長衫 (チョンサン Cheongsan)


 これは藤色のレースで作られた標準型の中国服である。上下に分かれた服に対して、このようなワンピースを長衫 (チョンサン Cheongsan) という。この標本では丈はふくらはぎの少し下までで、袖なし、衿巾5cmのチャイニーズ・カラーが付き、身頃は右脇よりで打合せ、スナップで留める。右脇は袖刳りより25cmのファスナー明きになり、両脇裾は31cmのスリットがある。中国服の基本的特色は立詰衿、右より打合せ、両裾のスリットの三点で、いずれも流行によって変化する。中華民国が台湾に孤立化するまでは、上海が流行の発生地であったが、現在は (1961年) 香港であって、台湾でも一般に着られている。その流行の変化は極めてめまぐるしいものであるから、ここには標準的なものを取り上げた。長衫は、たとえその母国は狭められても世界における独特な基本形の一つとして生き残るものと思われる。