田中千代・民俗衣装・コレクション

ミャンマー (Myanmar)



(1962年) シャン州の村娘

(1940年収集)

[衣装の構成]
ブラウス (エンジー Eingyi)
スカート (ロンジー Longyi)


 これはビルマ族の女性の服装である。エンジーは淡い色や白色の薄い絹や、透けるナイロンが多く使われている。暑い国で通風の悪いナイロンは不思議な気もする。透けて見えるからか、或いは近代化の一端であろうか。
 下着は洋風のものを使用している。
 ロンジーは踝丈の腰布で、この標本は巾102cm、長さ150cm位の布を横に使い、上部に約15cm巾の黒の綿布を縫い付け、輪に縫ったものである。(標本はクレープ・デシン)
 以前は縫い合わせないで、布のまま腰に巻き付けていた事もあるようだ。
 ロンジーはタイマティッン (Htaing-ma-thein) とも言う。ピンクとか、花柄とか、上品で明るく派手な色合いを好んで着ている。
 化粧は、暑さ除けを兼ねて、白い粉を水で練った"タナカモン(タナカという木の皮を石臼で挽いて作る)"と言うものを顔に塗る習慣がある。乾くにつれて、しびれて涼しく感じ、あとはオシロイ化粧となる。これは強い日差しから皮膚を守るためのもので、顔だけでなく身体にも塗る人がいる。少女もつけている。
 履物は日本の草履に似ている。

   ブラウス (エンジー) 筒型スカート (ロンジー)





ミャンマー (Myanmar)


ロンジーの着方
(平凡社発行「世界の民俗衣装」より)

(1962年収集)

[衣装の構成]
上衣
 (エンジー Eingyi)
下衣 
(ロンジー Longyi)


 これはエンジーとロンジーからなるビルマ (現ミャンマー) の男性の衣装である。近年ではエンジーの代りにワイシャツを着る人も多い。ロンジーは女性同様に輪である。
 ビルマは南北に長く、また海岸地方と内陸部があるため、その地形による変化が大きいが、全体的に見ると熱帯アジアのモンスーン気候地帯ということになる。このような風土的条件と、愛国心と保守性から、今もロンジーの伝統的な着用を守り続けている。このロンジーを非活動的であるとして、一部に廃止論もあるようだが、このビルマにおいては通風がよいなどの利点も多く、又、実際に着てみれば活動的で、仕事は勿論、テニスなどの運動も充分出来るそうである。
(標本はエンジーの下にワイシャツを着ている)。

上衣 (エンジー) 丈58cm 巾55cm 筒型下衣 (ロンジー) 周囲 183cm